続・オヒ!の殿堂3(番外編)

藤堂俊介がこっそり書くブログのようなもの

電卓を活用しよう〜2−3

電卓を活用しよう


 3 定数計算のちょっと面白い使い方


 定数計算はこのような使い方もできる。  CASIOの電卓では、1++=、非CASIO系電卓は、1+==と操作してみよう。答えはどうなったであろうか。2と表示されたはずである。さらに=を押してみよう。3と出るはずである。


 =を連続して押していくと、1ずつ増えていくはずである。これは定数だけセットし、演算キーと=を押すと、1を補って加算を始める。1+1と同じ結果になる。さらに=を押すと、現在表示された数2定数の1を加えて3を表示する。


 この仕様を利用すると、加算カウンタができる。入場者数を数える時にカチカチ押して数を数える計数値である。


 1を補っているだけであるので、別のスイッチを入れて=を押してみよう。例えば0入れてみよう。=を押すたびに1ずつ増える。他の数値を入れてみよう、例えば100を入れてみる。=押すと101になり、また=を押すと102になる。よって簡易カウンタに使うことができる。


 簡易と示したのは、オールクリア、クリアまたは数字以外のキーを押した場合、定数計算が解除される。また、一定時間操作しないと電源が切れるタイプの電卓がほとんどであるから、長時間の使用には耐えられない。足し算を引き算に変えると、減算カウンタになる。


 同じことが掛け算でもできる。CASIOの電卓では、X××=、非CASIO系電卓は、X×=と操作してみよう。このときXに入れる数は0と1以外である。例えば2を入れて操作してみよう。答えはどうなったであろうか。4と出たはずである。この場合も2を補い、定数でセットされた2を掛ける。もう一度=をしてみよう、8と出たはずである。さらに=を押してみよう16が出るはずである。このように、イコールを押すたびに2倍ずつ増えていく。 


 何の計算をしてるかと言うと、XのN乗の計算をしている。べき乗とも言う。=を押すと事情に2乗、2回押すと3乗になる。N乗を求める時は、イコールを押す回数をNから1つ引いた回数にすれば良い。0と1以外と言ったのは、1に何回1をかけても1であり、0に至っては何回0を掛け合わせても0だからである。


 あまり大きな数を入れると、桁あふれエラーを起こすので注意する。


 最後に割り算である。CASIOの電卓では、X÷÷=、非CASIO系電卓は、X÷=と操作してみよう。入れる数値は0と1以外である。例えばXに2を入れて操作してみよう。


 CASIOでは、1と表示され、非CASIO系は、0.5と表示される。


 この場合、CASIOにおいては、定数と同じ数値にを2を補って、2÷2を計算する。非CASIO系は、1を補って計算する。もう一度=を押すと、CASIOは0.5、非CASIO系は0.25を表示する。


 何の計算かといえば、Xに対する逆数である。CASIOは、XのマイナスN乗を求める時は、Nに1を加えた回数分=を押し、非CASIO系は、Nの回数分=を押す。


 0と1以外を述べたのは、1の場合、何回1で割っても1、0の場合は、0除算となり、エラーとなる。


 ここで0除算の説明をすると、一般電卓では、エラー、メモリーの記号と、数字小数点または、機種によっては、演算状態を示す、四則演算記号が表示される。0除算の場合は、エラーを示すEまたはERRORの記号と、0が表示される。決して0ではない。0で割ってはいけないという表示を意味する。スマートフォン用電卓アプリの中には、0以外の数値で0除算した場合、無限大記号が出るものもある。0同士で割った場合、NaN表示されるものもある。


 極めてゼロに近い小数点で割り算をすると、元の数より大きくはなる。しかし、0の場合は、無限大ではなく、割ってはいけないのである。数学では不能と教える。0同士の割り算は、定まらないのである。数学では不定と教える。


 CASIOの場合、定数計算モードを入らなくても、X×=では2乗計算、X÷=では同じ数を補って1を表示する。ただし、それ以上=を押しても表示は変わらない。


 これまで説明した定数計算は、一般電卓でできるものであり、数式入力タイプの一部の一般電卓と関数電卓ではこのような動作はしない。 
  それでは、計算をしてみよう。


 (問題1)


 商品A,B,Cの金額に1割の手数料を付加した金額を求める。ただし、%キーを用いない。


商品A 100円


商品B 200円


商品C 300円


 (解法)


 設問では%キーを用いないということになっている。つまり各金額から1.1倍すれば良い。


 (操作)


 CASIO


 1.1××100=(表示 110)


 200=(表示 220)


 300=(表示 330)


 非CASIO系


 1.1×100=(表示 110)


 200=(表示 220)


 300=(表示 330)


 (問題2)


 10万円を年複利2%で預ける。5年後の元利合計は。円未満は切り捨てとする。


 (解法)


 複利計算は、(1+利率%)の(年数)乗の式で求める。利率は%と示しているので、2%なら0.02とする。


 ゆえに、設問から1.02の5乗を計算する。


 (操作)


 CASIOは×を2回押し、非CASIO系は、×を押す。以下、CASIO式の8桁電卓で示す。


 1.02××==== (表示1.1040808)


 ×100000= (表示 110408.08)


 設問より、円未満を切り捨てて、110,408円。