続・オヒ!の殿堂3(番外編)

藤堂俊介がこっそり書くブログのようなもの

【電卓】定数計算(補足)

電卓の定数計算(補足)


 電卓の定数計算。意外とその存在に気づかないことが多い。なぜなら最近の説明書を見ると、計算例が載って、数字に定数を示すアンダーラインが引いているだけというものもある。買った人は、これが定数計算がであると気づかないまま使っている恐れもある。


 数字にアンダーラインだけを引かれてもこれは何を示すのか説明書のスペースの関係上致し方ないとしても、簡単な説明を書いておくとわかりやすい。


オーム電機 KCL-006の説明書より



 さて、現在の一般電卓では四則演算に関して定数計算機能が必ず入っている。仕様については異なるが、必ず入っている。


 古い電卓を見てみると、答え一発カシオミニと言われる6桁電卓には、定数計算機能は入っていない。スイッチによって定数計算機能が有効になる機種もある。例えばKと示したスイッチである。このKの意味は、CASIOに問い合わせてみたところ、ドイツ語のKonstanzの略との回答を得た。意味は不変、恒常性である。英語表記を元にしている電卓が、なぜ定数をドイツ語にしたのは謎である。あくまでも推測の範囲として、英語では
constantになり、頭文字がCとなる。クリアもCであるので、誤りを防ぐために使ったのではないかと思われる。


 昭和から平成に移る時、トラックにいっぱい雑貨を詰めて地方回りをする業者がいた。100円ショップとまではいかなかったが、雑貨品が安かった。この中にノーブランドの、香港または台湾製の電卓が激安で売られていた。当時5000円前後の電卓が1000円から2000円程度の値をつけていた。この激安電卓の中に、加減算の定数計算ができない機種があった。


 日本の電卓メーカーの中にも加減算だけ定数計算ができない機種があった。キヤノンの時計付きポケット電卓。昭和の終わり頃に購入し、かなり重宝した電卓であった。計算の表示速度が遅いこと、それに加減算の定数計算ができなかった。


 同じく数千円のキヤノンのディスクタイプ電卓にも加減算の定数計算ができなかった。値段が安いから省いたとは考えられず、あくまでも電卓回路設計の仕様だと思われる。


 定数計算は計算を便利にするにするものである。ただし、万能ではない。例えば除数の場合、除数と被除数どちらかを定数計算に指定ができない仕様のため、小学校で習う反比例の式を定数計算で行うことは不可能である。


 このように仕様上の制限もある定数計算。機能を十分理解して計算すると計算効率が飛躍的に上がる。是非、素っ気ない説明書を見て、実際に操作してみて理解しよう。