続・オヒ!の殿堂3(番外編)

藤堂俊介がこっそり書くブログのようなもの

小説投稿サイトで考えたこと

 小説投稿サイト(小説家になろうなど)にて主流を占める、『転生』と言われる、何かに変身して活躍する、舞台は魔法が縦横無尽に使える、中世騎士道物語。つまり、30年以上前からあるドラクエやFFのRPGを下敷きとした作品が受ける。市場価値がある(売れる)から、当面、この傾向が続くのであろう。


 転生ものも、いずれはというより、すでに文学作品の一分野であるから、乱立することがダメではなく、小説を書く動機付けになるから。批判や非難はしない。ことさら気になるのが、題名が長いこと。題名の文字数は自由である。40文字程度の題名になると、題名よりもあらすじか概略に感じる。


 なぜ長くするのかは、その人が考えることだから、これであるとは断定できない。長いと目立ち、読んでもらえる確率が高いか、題名が短いと、どういう物語か考える余裕が得られないのか。それとも別の理由があるのか。


 LINEでの電文交換が中心になっている久しい現在、到着する電文(メッセージ)をさばき、次のそれが来るまでの空き時間を縫って読めるものが受けると、別人が小説家になろうに、同じ分野の作品が集中しているのはなぜかとの考察の中で示されていた。この件については大いに支持する。


 行間や表現に秘められた、作者の意図を汲み取り考え、鑑賞する作業は集中する必要がある。頻繁にくるメッセージをリアルタイムにさばかないとならない場合、そちらに振り向けられ、鑑賞する時間が不足する、ゆえに、話の内容が決まっている内容が好まれる。


 世の中は忙しいのである。仕事も、それにSNSへの端末入力作業である。『インスタ映え』も然りである。誰かにいいね!を得て注目されたいために、端末入力作業に勤しむ。これでは写真投稿に忙しく、作品にじっくり取りかかる時間が不足する。例えば、水戸黄門の時代劇は、展開が画一化されている。

 ・旅の途中に悪者に絡まれる人を目撃する。 

 ・助ける。

 ・助けた人に関わる。身分はちりめん問屋と伏せる。

 ・絡む悪人には、悪代官がついている。小道具は小判饅頭の賄賂がつく。

 ・しつこく悪人が絡むが、助角コンビと風車の矢七が撃退する。

 ・調べるうちに悪の正体をつかみ、乗り込み、チャンバラ。

 ・印籠を出して解決。


 筋が決まっているから、深く考えなくとも、最後にご老公さまの印籠で悪は必ず一掃される。ながら見にはうってつけである。このことが小説投稿サイトで主流を占める、転生ものにつながるのでは。


 小説とは虚構でありながら、書き手が伝えたい主張や意図を込める作品であると考えている。しかし、スマホのSNS対応の間隙を縫って読む形態である以上、重厚なものは敬遠されるおそれがある。ならば、空いた時間で読んでも、書き手の主張や意図を伝えるにはいかようにするか、考えどころであり、腕のみせどころでもある。