CASIO 関数電卓 fx-15
ココログで書いていた記事の再構成版です。
電卓戦争が終息に向かいつつある昭和50年に発売された蛍光管表示の関数電卓。単三乾電池4本で現在でも動作する。経年劣化により、一部、数字キーが二度入力される不具合がある。
15年以上前、格安でヤフオクで落とした商品。説明書もメモをしてシールを貼り隠したりしている部分もある以外はきれいである。
説明書によれば、16関数。一般電卓と同じ機能の独立メモリキー1つがある。8桁の一般電卓としての機能、指数表示は、仮数部6桁+指数部2桁。指数表示では、仮数部6桁が有効で、7桁以上は切り捨てられる。指数の範囲は±39乗まで。一般の電卓に三角関数、対数計算キー、度秒分の変換機能を追加したような感覚を受ける。
【写真】説明書にある、旧カシオロゴ。
説明書には、一般電卓説明書にある、メモリ計算を使った、単価×数量=金額とその総計の、一般事務応用計算が掲載されていることからもうかがえる。
この電卓、関数計算をすると、やや時間がかかり、右端の桁が点滅をしたあと、数値を返す動作をする。
累乗(べき乗)計算は、興味深い動作をする。例えば、2の8乗の計算は、2を置数、べき乗キーを押し、8を入力し、=を押す。
2を置数後、べき乗キーを押すと、このような表示になる。説明書には計算途中の表示とだけしか書いていない。何の計算の表示であるかと言えば、これは、2の自然対数を計算している。2,lnキーと操作するか、ln,2,EXEまたは=と操作すると同じ結果になる。
2の8乗は、(log(e)2)×8≒5.545176
次に求めた数値を、ネイピア数eのべき乗としてを計算、2の8乗を求める。
e^5.545176≒256
2の16乗は、(log(e)2)×16→約11.090352
e^11.090352≒65536
仮数部が6桁かつ端数処理の関係上、2の3乗が8.00001。16乗も、65535.8 などと誤差が生じる。有効桁数で四捨五入して判断することになる。
3DS プチコン3号や現在の関数電卓でこのような手続きを踏むと、8,256,65536と答えを返す。
■応用計算
説明書の応用計算に、べき乗計算において±40乗以上の計算をするにはが掲載されている。
これを、fx-5800Pとプチコンで簡単なプログラムを組んだ例をあげる。
(fx-5800P)
(プチコン3号)
65536の256乗、65536乗などの近似値が簡単に求まる。電卓の説明書は保存しておくと、活用したいときに解決の糸口が見いだせる好例である。