続・オヒ!の殿堂3(番外編)

藤堂俊介がこっそり書くブログのようなもの

刑事ドラマ

刑事ドラマ
 物心がついた頃から刑事ドラマに親しんでいる。太陽にほえろ!は金曜日午後8時にチャンネルを合わせ、その他、西部警察、特捜最前線、はぐれ刑事純情派、さすらい刑事旅情編など名作揃い。今は科捜研の女である。


 昭和の名作ドラマには事件の証拠品に強引な部分があったりする。記憶している範囲で特捜最前線でのひき逃げ事件の一事不再理を扱った回は、誤差100万分の数秒という正確な時計を持つ信号機制御装置が登場した。防犯カメラの時計も正確無比。しかし、そういう細かな強引さを帳消しにするのが、刑事役、被疑者役の熱演、撮影技術、そして背景音楽である。


 現在の刑事ドラマを見ていると、脇役のおフザケでウケ狙いをしている部分もある。また、お笑い芸人の登場も増えている。お笑い芸人が俳優をしても構わないし、警視庁捜査一課長のお抱え運転手をする刑事役の芸人は板が付いている。しかし、アドリブなのかは分からないが芸人の持ちネタを出してウケ狙いをする場面が増えた感がある。よく言えば、お笑い芸人の俳優挑戦、悪く言えば丸投げである。


 科捜研の女に至っては、20周年記念作品に捜査一課刑事の異動を出して注意を惹かせようとした。刑事役として今は絶頂期の内藤剛志氏に対し、降板をにおわせ、視聴者への客寄せパンダのような扱いにされては困る。


 刑事ドラマとは刑事と被疑者の葛藤を丁寧に描写したものである。刑事なら仕事への誇り、被疑者役なら事件動機である。ウケ狙いの刑事ドラマはかえって俳優の重厚さを薄め、物語は浅くなる。