こんな物語書いていませんか。
例えば、このような物語の場面があった場合、あなたはどのような文章を綴りますか。
【例】3DS まんが家デビュー物語《おてほんからつくる→こくはく》にセリフを入れたもの。
あなたはセリフと短い場面説明で終わらせていませんか。
(文例)
放課後、孝浩くんと由紀さんは、待ち合わせとしている屋上へ来た。
「孝浩くん」
「由紀さん」
しばしの静寂。
孝浩くんは驚きながら、
「何かあったの?」
と尋ねた。
由紀さんは泣き出し、
「二股だったのね!」
と問い詰めた。
セリフとセリフにいくつか改行をいれたりして、読みやすくしたと自負する方もいるようです。
このような書き方は、例で示した物語に、朱書きの文字入れ部分と、セリフを抜き出しただけです。
文例の物語の書き方では、図示した絵の情報が大量に抜け落ちています。これでは、物語とは異なり、台本に近くなります。読者が勝手に場面を補うから、これでもよいではないかという方もいます。
(文例)
放課後、孝浩くんと由紀さんは、待ち合わせとしている屋上へ来た。
「孝浩くん」
「由紀さん」
しばしの静寂。
孝浩くんは驚きながら、
「何かあったの?」
と尋ねた。
由紀さんは泣き出し、
「二股だったのね!」
と問い詰めた。
だけでは、読者はどのように行間から情報を補えるかになります。
(作者が目的とする情報)
目的とする情報に読者がどれだけ戻せるか(または伝わるか)になります。物語を書く場合、目的とする情報に戻せるように、文章表現に工夫を凝らすことが必要です。