続・オヒ!の殿堂3(番外編)

藤堂俊介がこっそり書くブログのようなもの

こんな物語書いていませんか。

 例えば、このような物語の場面があった場合、あなたはどのような文章を綴りますか。

【例】3DS まんが家デビュー物語《おてほんからつくる→こくはく》にセリフを入れたもの。


 あなたはセリフと短い場面説明で終わらせていませんか。


(文例)

 放課後、孝浩くんと由紀さんは、待ち合わせとしている屋上へ来た。

 「孝浩くん」

 「由紀さん」

 しばしの静寂。

 孝浩くんは驚きながら、

 「何かあったの?」

 と尋ねた。

 由紀さんは泣き出し、

 「二股だったのね!」

 と問い詰めた。


 セリフとセリフにいくつか改行をいれたりして、読みやすくしたと自負する方もいるようです。
 このような書き方は、例で示した物語に、朱書きの文字入れ部分と、セリフを抜き出しただけです。




 文例の物語の書き方では、図示した絵の情報が大量に抜け落ちています。これでは、物語とは異なり、台本に近くなります。読者が勝手に場面を補うから、これでもよいではないかという方もいます。


(文例)

 放課後、孝浩くんと由紀さんは、待ち合わせとしている屋上へ来た。

 「孝浩くん」

 「由紀さん」

 しばしの静寂。

 孝浩くんは驚きながら、

 「何かあったの?」

 と尋ねた。

 由紀さんは泣き出し、

 「二股だったのね!」

 と問い詰めた。


 だけでは、読者はどのように行間から情報を補えるかになります。


(作者が目的とする情報)


 目的とする情報に読者がどれだけ戻せるか(または伝わるか)になります。物語を書く場合、目的とする情報に戻せるように、文章表現に工夫を凝らすことが必要です。