続・オヒ!の殿堂3(番外編)

藤堂俊介がこっそり書くブログのようなもの

テレビがこしらえた国 ニッポン

テレビがこしらえた国 ニッポン


 一時期よりは陰りを見せた《ニッポンスゴい》番組。高度成長期につくられた技術を欧米外国人にひけらかしてスゴいと言わせたテレビ朝日の番組、なぜか温水洗浄便座を外国に持っていって、現地の人に《メイドインジャパンはスゴい》と言わせるTBS、ニッポンスゴい番組の老舗、テレビ東京は、日本マニアの外国人を呼んで、文化を体験させるものを流している。


 1990年代までのテレビ番組は海外ロケに行き、各地の文化、民俗を紹介し、海外旅行が高嶺の花だった時代にいながら情報を得ることができた。多様な世界を知る機会だった。


 テレビ制作側が、内向きに転向したのは、GNPが中国から追い越される前後あたり。自尊心を傷つけられたのか、ニッポンスゴい番組を作り始めた。人口も市場も桁違いだから、追い越されるのも時間の問題だった。アメリカにはかなわないが、アジア諸国には勝っていた自負があったのだろうか。


 外国人が驚嘆し、憧れるスゴいことがいっぱい。これはテレビが作り上げた国、それがニッポンである。現実の日本とはかけ離れている。