続・オヒ!の殿堂3(番外編)

藤堂俊介がこっそり書くブログのようなもの

【電卓に強くなる】メモリの解説

電卓に強くなる研究
 電卓に強くなるでは、メモリキーの紹介があり、おすすめしたいと記述があります。ただし、本編では一切メモリを用いていません。

 メモリのキー表示方法はM+,M−,MR,MCと書かれています。メモリの仕様も現在の一般電卓の変わりありません。おそらく初版本が出された昭和52年までには、メモリの仕様が固まっていたと見られます。


 メモリを本編の公式集に用いといないのは、冒頭部分に《記憶装置がある機種は》とあり、メモリキーがない機種が相当数あったと思われます。現在の仕様に固まるまでの一般電卓には、メモリキーなし、計算結果を自動累計し、MRで呼び出すものなどさまざまでした。


 著者が理想とするメモリ機能は、計算中でも表示されている数値をメモリに格納する機能とあります。現在の仕様では、1+1,M+と操作すると2がメモリに格納されます。


 理想とされるメモリは、数式入力方式の関数電卓以前の一般電卓に関数キーを付けた関数電卓に存在します。CASIOならMin、SHARPならx→Mがそれに当たります。なお、この形式の関数電卓は国内向けにはSHARPの廉価版が販売されています。


 著者によればメモリは各自研究と述べています。メモリがついていない機種も相当数稼働していたから、メモリを活用した公式をあげると、対応できない人もいたと考えられます。


 この本は、昭和の末年まで版を重ねています。平成に入り改訂版が作られていたら、著者の目的、《一台の電卓をいじっているうちに、「数の働き」に魅せられて》いたことでしょう。


 義務教育課程での電卓の使用は、計算能力が落ちると昭和の時代は忌み嫌われてきました。高校数学に昭和50年代の始めプログラミング教育も兼ねてプログラム関数電卓が導入され、その後、活用されず、職員室でオブジェと化した例もあります。令和2年度からプログラミング的思考という名でプログラミング教育が必須になりました。かつての二の舞にならないか危惧しています。


 話をメモリに戻すと、基本仕様数値を格納する、計算式のあとに押すと計算結果が格納されるは各社同じです。ただし、CASIOとSHARP(非CASIO)は細かい点で異なりますから、別の機会にあげたいと考えています。