続・オヒ!の殿堂3(番外編)

藤堂俊介がこっそり書くブログのようなもの

親父仏になる

親父仏になる


 仏と言う漢字は、お釈迦さまたちの仏様、仏教の他に、西方浄土へ旅立った人を指す。残念ながら親父が浄土へ旅立った。


 診断書には肺炎とあった。肺炎と聞くとCOVID19(新型コロナウィルス)だと必ず疑いの目をかける。もともと肺機能が悪く、高齢とあいまって何らかの起因で肺炎を誘発した。外出は大腿部をけがしてからは積極的にせず、コロナ騒動では通院以外はほぼ家にいて趣味に没頭していた。



 後に撤回された、うちで治そう、37度5分が4日間というお達しが病院に浸透していた。かかりつけ医に電話を入れても、専用ダイアルに電話して指示を仰げと受診拒否を食らった。電話を入れようとした。母親がコロナだったら、村八分にされるから、様子を見ようと熱が落ち着くまで自宅療養を続けた。以前、処方されていた解熱効果がある頭痛薬を飲むと、熱は下がり、食欲もあった。


 解熱薬の効果は一時的。肺炎であるから、解熱薬では何の対策にもなっていない、コロナだったらと専用ダイアルにかけるのをためらっていた。息苦しい素振り、肩こり続き、背中を指圧すると気持ち良くなる様子を見て、もしかすると肺炎ではないのかと直感した。母親を説得し専用ダイアルへ。症状を伝えるとコロナではないからかかりつけ医へ行ってくださいだった。かかりつけ医に指示を伝えるとようやく受け入れた。しかし、肺炎の程度が重く、大学病院へ。


 抗生剤が効いたものの、酸素吸入が必要となった。腎臓の機能低下が起こり、3週間の格闘のあと、眠るように旅立った。安らかな顔で今にも目覚めそうな表情である。最期は心停止してもすぐに回復し、予告なく心停止、また回復を何度も繰り返していた。回復への執念がそうさせたかも知れない。


 新型コロナウィルスは、感染するよりも、迫害が怖い。罹患が分かると行政は、記者会見を開き、マスメディアは大々的に報道し、ワイドショーでは恐怖だけを植え付けた。罹患者を特定しようとしたり、他県ナンバーに嫌がらせ、履き違えた正義を振り回した自粛警察も、全てマスメディアのなせる業である。まんまと私も母親も騙されたのである。


 このウィルスは、インフルエンザ対策と同じであった。それと異なるのは飛沫感染であること、それだけを伝えておけば、朝から深夜までウィルス総力特集したりすることもなかった。このウィルスの最大の栄養源は人々の恐怖と分断。ウィルス自体の感染力よりも速く拡がった。


 コロナ騒ぎがなければ、早期に治療でき、治癒していたと思う。それだけが悔やまれる。